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教員研修、NIEに関心 全校挙げ「新聞」学ぶ
-静岡東源台小と高松中でアドバイザー"出前講座"

2012年08月16日(木)付 朝刊


 県内学校の教員研修で、新聞を生かした授業づくり講座が取り入れられている。新学習指導要領に新聞活用の充実が盛り込まれ、全校を挙げた取り組みを目指す。静岡市内で行われた研修では、NIEアドバイザーが講師を務め、新聞の特徴や実践例を紹介した。

 「見出しでしりとりをしてみましょう」。NIEアドバイザーの矢沢和宏・島田市立川根中校長の掛け声で、静岡市立東源台小の教員24人が一斉に新聞を広げた。3人のグループを組み、しりとりが続いた数を競った。

 ■学習に応じ工夫
 「まずは新聞の隅々まで目を通し、親しむためのゲームが効果的」と矢沢校長は説明。新聞のコラムや4こま漫画を通じて起承転結のある文章を学ぶ、新聞に自分の意見を投書する―などの利用法を紹介した。
 同じスポーツの試合を報じる2紙の記事を比較し、新聞によって見出しや写真、記事の内容も異なると説明。活用に当たって、批評的な読解力、他メディアとの比較が求められると指摘した。
 新学習指導要領に言語活動の充実が掲げられ、教科書にも「新聞」が数多く登場する。矢沢校長は「自分と社会との接点を実感できる新聞の特性が見直されている」と教材としての可能性を示し、学習段階に応じて利用法を工夫する必要性を示した。
 東源台小でNIEを担当する柴田剛秀教諭は、「学習段階に応じて、授業にNIEを多様に取り入れる方法を学んだ。活用の幅が広がる」と感触を得た。

 ■伝え方のこつ
 静岡市立高松中の教員研修では、NIEアドバイザーの実石克巳・静岡市立高教諭が、新聞制作のグループ学習や新聞形式の予習資料作りなどを例に挙げ、発表やビジュアル表現への工夫を講義した。
 「まずは誰に伝えたいのかを明確にして、目を引くビジュアルに仕立てることが大事」と実石教諭。見出しや写真を対角線上に置くこと、横見出しを多用しないこと―など新聞制作のルールを解説した。
 生徒の記事スクラップ帳に保護者が目を通してコメントを加え、さらに生徒が意見を記すという実践も説明。「自分とは違う意見を受け入れ、自分の意見を発信する。他人とのやりとりの過程で自らの考えを深めることは、社会人の基礎力にもなる」と語り掛けた。

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 【写説】新聞を使ったゲームを体験する教員=静岡市駿河区の東源台小

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 【写説】新聞形式の資料を作成するこつを紹介する実石教諭=静岡市駿河区のツインメッセ静岡