2016年12月11日(日)付 朝刊
しずおか新聞感想文コンクール(静岡新聞社・静岡放送主催)の表彰式が10日、静岡市駿河区登呂の静岡新聞放送会館で開かれた。小・中学、高校の3部門で上位入賞した29人を表彰した。
今回の応募は計7088点。渡辺幸一郎静新会会長や木苗直秀県教育長が受賞者に賞状や盾を手渡した。
各部門の最優秀受賞者が感想を発表し、地球温暖化をテーマにした壬生久葵さん(静岡大付属浜松小6年)は「分かるだけ、実践するだけでは駄目で、みんなに伝えようという気持ちで書いた」と語った。
戦没者追悼式の記事を取り上げた佐野萌華さん(日大三島中1年)は「平和を守ることの大切さを伝えたかった」と振り返り、病気治療に生かすことができる臍帯血(さいたいけつ)について書いた江間弓華さん(西遠女子学園高1年)は「あまり知られていない医療分野だけど、人の命に大きく関わることを知った」と話した。
賞状などを受け取る入賞者=10日午後、静岡市駿河区登呂の静岡新聞放送会館
新聞を教育に活用する「NIE」に取り組む焼津市立大井川中はこのほど、生徒が新聞記事を題材に問題を作成する試みを行った。
同校は2015年度から、毎週金曜日の朝15分間を「朝の新聞タイム」(通称・朝新聞)とする活動を開始。県NIEアドバイザーの矢沢和宏校長が新聞記事を基に問題を作り、全校生徒630人が記事を読んで答える取り組みを実施している。生徒による問題作成は朝新聞を発展させた試みで、深い思考力を養うのが狙い。
静岡新聞朝刊に掲載された「人工知能(AI)が患者救命」と夕刊コラム「窓辺」の「人工知能を考える」(いずれも5月16日)を取り上げた。生徒は記事を読み解きながら、「AIと共存する時代に、人間は何を磨くことが大切か」「人工知能の課題を挙げなさい」など本質を突く問題をひねり出した。
同校は生徒が考案した問題3問を選び、朝新聞で全校生徒に出題する。矢沢校長は「出題する側に立つことで、主体的に深く考える力を育んでほしい」と語った。
新聞記事を題材にした問題を作成する生徒=焼津市立大井川中