一緒にNIE

「逆三角」と「起承転結」

2011年07月24日(日)付 朝刊


  新聞を利用して、「わかりやすい文章」や「読者の興味を引く魅力的な文章」を学ぶのも、効果的な『やさしいNIE』の一つです。
 まず、「わかりやすい文章を書く」ためには、新聞記事の逆三角形の構成(見出しで結論を先に示し、その後で理由や説明を書く)が参考になります。自分の言いたいことをより明確に相手に伝える書き方を新聞記事から学ぶのです。
 また、「読者の興味を引く魅力的な文章を書く」ためには、新聞のコラム(筆者の意見・考えが入る部分)や四コマ漫画が利用できます。人を引きつけるために、「起承転結」を意識して書くのです。
 私は、よく四コマ漫画を使います。まず、出だしで「何かな?」と疑問をもたせ、「そのことか」と思わせた後、「えーっ」と驚かせ、最後に「落ち」を付けて、「なるほど」と納得させる。このパターンに当てはめて書く練習をすると、子どもたちはすぐに四コマ漫画の見方が上達し、「この四コマ漫画は起承転結がはっきりしていておもしろいね」「これは、人を引きつける構成がもう少しだね」などと評価できるようになります。
 新聞記事のように「逆三角形」で伝えるか、四コマ漫画やコラムのように「起承転結」で引きつけるか、TPOによって使い分けることが大切です。新聞への投書もそれぞれの良さを生かして書くよう指導していますが、この練習は、プレゼンテーションやスピーチの上達にもつながっているように思います。
(焼津大村中教頭・矢沢和宏)