静岡県NIE推進協議会

NIE実践報告 新聞活用、社会を身近に-県内3教諭

2012年03月11日(日)付 朝刊


 県NIE推進協議会(会長・角替弘志常葉学園大学長)はこのほど、静岡市駿河区で2011年度NIE実践報告会を開いた。10年度から2年間、新聞を活用した教育を進めてきた小、中学校、高校の3校の担当教諭が、活動事例や成果を発表した。報告内容の概要を紹介する。

■写真からクイズ作成-石原芳彦教諭/東伊豆町立稲取小
 実践前はテレビ欄、スポーツ面、4コマ漫画だけを見る児童が多かった。そこで、低学年は「新聞に触れる」、中学年は「記事に興味を持つ」、高学年は「新聞を活用する」を目標に掲げた。
 2年生は、興味を持った新聞の写真からクイズを作る活動に取り組んだ。子供たちは問題を作るために一生懸命、新聞を読み、一枚一枚の写真に一喜一憂するなど、とても楽しんでいた。4年生は、2本の記事の共通点を探し、合わせて1本の見出しをつけることに挑戦した。見出しを考えることで、話の中心を読み取る要約の力がついた。
 児童は各紙の「子ども新聞」への興味を示すようになった。授業の中で活用できる新聞の幅の広さを感じた。

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東伊豆町立稲取小石原芳彦教諭

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■視野広がり比較力も-塚本学教諭/常葉学園高
 3年生の「総合社会」や「現代社会」の授業の中で、週1時間をNIEに充てた。
 1年目は、新聞記事のスクラップノートを作り、感想を書いた。選んだ記事のジャンルを1枚のプリントにまとめ、どんな記事に興味があるのか自己分析した。生徒同士の意見発表がかみ合うように、教師側が静岡空港などの共通テーマも設定した。
 2年目は記事について班ごとに話し合う時間を設けた。共通テーマも生徒が決めるように変えた。東日本大震災もあり、原発問題などに関心が高かった。
 生徒の興味、関心、視野を広げるには、新聞の活用は有効。記事を比較したり生徒同士で話し合ったりすることで、相対化して見る「くらべる力」が付く。

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常葉学園高塚本学教諭

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■切り抜き作品を審査-野中知行教諭/島田市立金谷中
 教員を「授業づくり研究部」「NIE授業活用研究部」「NIEリテラシー向上研究部」に分け、全員が研修に関わっていくことを心掛けた。
 全学級で「私の一押しニュース」という取り組みを始めた。生徒が朝の会で交代で新聞記事を紹介し、自分のコメントを発表した。
 個人ごとにテーマを決め、新聞記事の切り抜き作品の出来映えを競うコンクールも全学年一斉に行った。生徒のアンケートで90%が「よかった」と答え、「いろいろなニュースを知ることができた」などを理由に挙げた。
 NIEは①学習が主体的になる②学習が身近なものになる③他者の意識や社会を見る目が育つ―と分かった。今後は教師の教育技術を高める必要がある。

島田市立金谷中野中知行教諭

島田市立金谷中野中知行教諭

主体的学習で成果 3教諭がNIE実践報告-静岡

2012年03月04日(日)付 朝刊


 県NIE推進協議会(角替弘志会長)は3日、静岡市駿河区で2011年度NIE実践報告会を開いた。10年度から2年間、新聞を活用した教育を進めてきた県内の実践指定校7校のうち、3校の教諭が活動事例と成果を発表した。
 島田市立金谷中の野中知行教諭は全学年で行った「新聞切り抜き作品コンクール」などを説明した。「生徒の学習活動が主体的になった」と成果を報告し、今後の課題として教師の教育技術の向上を挙げた。
 常葉学園高の塚本学教諭は、生徒に新聞記事の切り抜きをノートに貼って感想を書かせ、班ごとに意見交換する取り組みを紹介した。新聞を読み比べて見出し作りに挑戦する活動に取り組んだ東伊豆町立稲取小の石原芳彦教諭は「話の中心を読み取り、要約する力が付いた」と話した。
 新聞、教育関係者ら約60人が出席した。NIEアドバイザーの矢沢和宏焼津市立大村中教頭は「着実に実践が進んでいる」と各校の取り組みを評価した。
新聞を活用した教育活動が発表されたNIE実践報告会=3日午後、静岡市駿河区

新聞を活用した教育活動が発表されたNIE実践報告会=3日午後、静岡市駿河区

「原発」議論活発に-静岡東源台小で新聞使い公開授業

2011年11月26日(土)付 朝刊


 NIE実践指定校の静岡市立東源台小(同市駿河区国吉田)で25日、新聞記事を活用した公開授業が行われた。11月のNIE月間に合わせた県NIE推進協議会の事業。「原発からエネルギー問題を考える」をテーマに、6年生3クラスの95人の合同授業が行われた。
 児童は「福島第1原発」「浜岡原発」「エネルギー」など五つの小グループに分かれ、自分が用意した新聞記事の切り抜きを見せながら、内容や感想を発表した。
 その後、「浜岡原発を廃炉にするか、再稼働するか」について、各自が意見を紙に書いてからグループ内で議論した。「安全性を考えれば永久停止」「再稼働しないと電力不足で生活に影響する」など双方の立場から意見が飛び交った。
 公開授業には教育関係者が多く集まり、児童の話に熱心に耳を傾けた。

新聞を基に原発やエネルギー問題について話し合う東源台小の児童=25日午後、静岡市駿河区国吉田の同校

新聞を基に原発やエネルギー問題について話し合う東源台小の児童=25日午後、静岡市駿河区国吉田の同校

「家族との活動鍵」 実践校教諭が情報交換-静岡でNIE実践校交流会

2011年07月17日(日)付 朝刊


 県NIE推進協議会(会長・角替弘志常葉大学長)は16日、NIE実践校交流会を静岡市駿河区登呂の静岡新聞放送会館で開いた。日本新聞協会指定の本年度新規実践校や継続校、“OB”校の教諭と新聞関係者ら約20人が出席し、新聞を活用した授業の進め方について情報交換した。
 新規校教諭は9月の実践開始に向け意気込みを語り、スクラップノートの作り方などを先輩教諭に質問した。継続校教諭は「NIEは特別なものではなく、身近なものをもっと身近にすること」「家族を巻き込んだ活動が広がりの鍵」と話した。司会を務めたNIEアドバイザーは「2年の実践指定でいろいろ試し、やり方が見えて来る。勝負は3年目以降」と激励した。
 新聞関係者は「子供たちの社会参画意識が育つように教育界と連携したい」と語った。

新聞を活用した授業について情報交換するNIE実践指定校教諭=16日、静岡市駿河区の静岡新聞放送会館

新聞を活用した授業について情報交換するNIE実践指定校教諭=16日、静岡市駿河区の静岡新聞放送会館

新聞活用の授業、あり方模索へ 
静岡で13年全国大会 県内初開催-県NIE推進協議会総会

2011年06月19日(日)付 朝刊


 全国のNIE実践教諭や教育、新聞関係者が集うNIE全国大会の第18回大会が2013年7月、静岡市で開かれる。18日、県NIE推進協議会(会長・角替弘志常葉学園大学長)が静岡市駿河区の静岡新聞放送会館で開いた総会で報告された。

 県内初開催で、研究発表や公開授業、パネル討論、記念講演などを通し、新聞を活用した授業のあり方を探る。 日本新聞協会主催、県NIE推進協議会と静岡新聞社が主管する。県内教育関係者の協力で日程調整と会場選び、大会テーマ策定、組織づくりを進める。参加は千人ほどを見込む。今年の大会は7月25、26日に青森市で開かれ、県内からも実践指定校教諭やNIEアドバイザーらが参加する。来年は福井市の予定。 

 総会ではこのほか、11年度実践指定校の推薦や事業計画案、10年度決算案などを承認した。主な事業計画は実践指定校交流会、「いっしょに読もう!新聞」コンクール1次審査、NIE月間公開授業、実践報告会など。 

 総会後、静岡文化芸術大の広瀬英史准教授が「小学校の国語表現と新聞表現―新聞に親しむために」と題して記念講演した。

 

NIE全国大会の静岡開催などが報告された県NIE推進協議会総会=18日午後、静岡市駿河区の静岡新聞放送会館

NIE全国大会の静岡開催などが報告された県NIE推進協議会総会=18日午後、静岡市駿河区の静岡新聞放送会館

島田高など新規5校 実践校の推薦決定-県推進協

2011年04月08日(金)付 朝刊


 県NIE推進協議会(角替弘志会長)は7日、幹事会を静岡市駿河区の静岡新聞放送会館で開き、日本新聞協会に推薦する2011年度NIE実践指定校を決めた。

 新規は島田高、島田樟誠高、御殿場南中、静岡清水第五中、浜松北部中。継続7校、奨励枠3校とともに7月に正式決定する。 新規校は県教委、静岡市教委、浜松市教委、県私学協会の推薦と一般公募の中から選んだ。

 指定2年目の継続校は常葉高、下田東中、島田金谷中、袋井中、東伊豆稲取小、静岡東源台小、浜松与進小。奨励枠は浜松江之島高、浜松学芸中・高、磐田神明中。実践指定校には本年度も県内発行7紙をそれぞれ希望に応じ2~4カ月間、無料提供する。 

 幹事会はこのほか、10年度決算案、11年度事業計画と予算案などを審議した。