静岡県NIE推進協議会

読者投稿文教材に NIE公開授業-静岡・高松中

2014年11月07日(金)付 朝刊


 NIE実践指定校の静岡市立高松中(同市駿河区)で6日、新聞を活用した国語科の公開授業が開かれた。2年生28人が、新聞の読者投稿文を教材にした学習に取り組んだ。
 県内の教諭や新聞関係者ら約30人が参観した。同校の南條徹教諭(50)の授業で、どのような文章が新聞に掲載されるのか―がテーマ。中学、高校生ら同世代からの投稿文を「家族」「学校」など七つのジャンルに分け、ジャンルごとグループで話し合った。
 その後、各グループの代表が討議結果を発表した。「読者の共感を得る」「具体例が書かれている」ことなどが投稿文に選ばれる要素に挙げられた。
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新聞記事から読み取ったことをホワイトボードにまとめる生徒たち=6日午後、静岡市駿河区の市立高松中

「社会への関心高まる」 4校がNIE実践報告-静岡

2015年02月22日(日)付 朝刊


 県NIE推進協議会(角替弘志会長)は21日、NIE実践報告会を静岡市駿河区登呂の静岡新聞放送会館で開いた。県内の実践指定校18校のうち、2013年度から2年間にわたって取り組んできた4校の担当教諭らが成果を発表した。
 浜松市立積志中の若原昌史教諭は、新聞スクラップノートを作成させる実践などに取り組んだ。記事に対して自分の意見を述べることができるようになるなど、生徒に成長が見られたという。
 裾野市立深良中の松永光正教頭は、全校生徒が毎朝、新聞記事を読み感想を記述する活動「グローバル・アイ」を報告し、「生徒の社会に対する関心は高まった」と指摘した。
 「新聞講読」という授業を担当した県立金谷高の塚本徹教諭は、記事を貼り付けた自作のプリントで授業を行ったほか、生徒に投書させる取り組みも行い、多数掲載されるという成果を上げた。
 NIEによる環境教育に取り組んだ県立浜松城北工高の飯尾美行教諭は、記者を招いた環境講演会など多彩な取り組みを紹介、「NIEによる環境教育は実践的で効果的な授業方法」と結論づけた。

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新聞記事を使った授業例を発表する教員=21日午後、静岡市駿河区登呂の静岡新聞放送会館

月刊一緒にNIE@しずおか・第1土曜掲載=まわしよみ新聞 県内でも広がり 「気になる記事」で会話弾む

2015年02月07日(土)付 朝刊


 さまざまな年代、職業の人たちが、気になる新聞記事を互いに紹介し合う取り組み「まわしよみ新聞」が、県内でも広がりを見せ始めている。初対面でも、新聞記事が介在するとなぜか会話が弾み、思わぬ方向へ話が転がる。そんな不思議な魅力がじわじわとファンを増やしているようだ。

 1月中旬の夜。静岡市葵区の番町市民活動センターに、20代から50代の男女5人が集まった。センタースタッフの田口公一さん(31)が企画した「まわしよみ×ダイアログ」の参加者だ。
 田口さんがまわしよみ新聞に関心を持ったのは、東日本大震災の際、壁新聞で被災者に情報を伝え、大きな話題となった石巻日日新聞の存在を知ったのがきっかけだった。同紙を取り寄せて購読するうち、センターの事業として新聞を使ったワークショップを考えるようになった。具体的な展開を模索する中、インターネットでまわしよみ新聞を知ったという。
 田口さんは考案者である陸奥賢さんの取り組みを参考にしながら、「対話」を重視した独自の運営方法を構築。1月の「まわしよみ×ダイアログ」は、その"田口方式"で進められた。
 進行役を務める田口さんを除く4人が模造紙の広げられた机を囲み、ニックネームで自己紹介。静岡新聞、石巻日日新聞など4紙をそれぞれ手に取り、紙面をチェック、気になる記事を切り抜いていく。10分後、新聞を隣の参加者に回し、再びチェック。多くの記事が模造紙の上に並んだ。
 くじ引きで発表者に当たった参加者が、一つの記事をピックアップ、それを切り抜いた参加者に記事について質問する。そのやり取りで気になる言葉があれば、参加者は異なる色のフェルトペンで模造紙にメモし、そのメモを基にさらに対話を深めていく。
 この時は石巻市内の小学6年生の夢をまとめた記事が対象になった。最初は子供らしい笑顔の写真が話題になっていたが、夢の内容に「介護士」や「国交省で働きたい」などがあることから、話は子供たちの心に潜む大震災の影響におよび、対話は休みなく繰り広げられた。終わったときには、模造紙は色とりどりのメモでいっぱいになっていた。
 「まわしよみ×ダイアログ」の参加者の一人、清水玲子さん(46)は焼津市市民活動交流センターのスタッフ。清水さんは翌週、同センターで昨年12月に続いて2回目の「まわしよめ!焼津!」を開いた。3人が参加し、"田口方式"で対話を楽しんだ。
 このほか、浜松市中区のセミナールーム「黒板とキッチン」でも昨年、「まわしよみ新聞」が5回行われた。昨年6月の初回は同ルームのこけら落としとして開催、陸奥さんも招いた。同ルームの企画運営を担う「大と小とレフ」取締役の鈴木一郎太さん(37)は「多様な価値観を、楽しみながら実感するいい機会になる」とまわしよみ新聞の可能性に期待する。

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「まわしよみ×ダイアログ」を楽しむ参加者=静岡市葵区の番町市民活動センター


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【まわしよみ新聞】
 参加者が気になる新聞記事を切り抜き、プレゼンテーションし合う取り組み。大阪のイベントプロデューサー、陸奥賢さんが2012年、釜ケ崎の喫茶店で客同士が新聞を回し読んで盛り上がる光景に接し、イベントの企画として立案したのが始まり。切り抜いた記事の中からトップ記事などを決めて紙に貼り、1枚の新聞に仕立てるのが本来のやり方。「完全フリー&オープンソース」をうたい、特に断らずに実施しても問題にしない旨を表明していることもあり、さまざまな形で全国に広がった。

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■21日に「NIE実践報告会」
 県NIE推進協議会は21日午後1時半から、「NIE実践報告会」を静岡市駿河区登呂の静岡新聞放送会館で開く。県立金谷高、県立浜松城北工高、浜松市立積志中、裾野市立深良中教諭が発表する。対象は県内の教育関係者。参加希望者は10日までに、県NIE推進協議会事務局<電054(284)9152>に申し込む。無料。