静岡県NIE推進協議会

新聞活用 課題探る 実践校教諭意見交換-静岡

2015年07月19日(日)付 朝刊


 県NIE推進協議会(会長・角替弘志静岡大名誉教授)は18日、NIE実践校交流会を静岡市駿河区登呂の静岡新聞社制作センターで開いた。日本新聞協会の指定を受けた実践校やアドバイザーの教諭、新聞関係者ら約20人が出席し、授業への新聞の活用について現在の取り組みと課題を報告し、意見を交わした。
 本年度に新しく指定を受けた東海大付属小の教諭は「家庭学習で報道写真や記事から5W1Hを抜き出している」「新聞の逆三角形の文章構造から文章の書き方を教えている」などと取り組みを報告した。
 アドバイザーで静岡市立城北小の中村都教諭は「実践校の指定期間を終えてから、どのように継続するかが大事」と学校全体で取り組む大切さを訴えた。角替会長は「当日の新聞だけでなく、過去の新聞も資料として生かせる」などと助言した。
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新聞活用の取り組みを説明するNIE実践校の教諭=18日午後、静岡市駿河区登呂の静岡新聞社制作センター

月刊一緒にNIE@しずおか・第1土曜掲載=本年度実践指定校の取り組み 社会に関心 考察力育む

2015年07月04日(土)付 朝刊


 日本新聞協会の2015年度NIE実践指定校に県内14校が内定した。近く正式決定する。指定校には新聞7紙が一定期間、無料提供される。各校担当教諭に本年度の目標や意気込みを聞いた。

 ■富士田子浦小
 昨年度から継続している保護者ボランティア作成の新聞記事スクラップをより効果的に活用します。授業やスピーチ資料、昼の放送のクイズ問題など、子どもたちの興味関心を社会の出来事に向けさせていきます。
 (望月千恵)

 ■静岡清水三保第一小
 本年度は主に6年生で実践を行う。社会の歴史や政治などの授業で積極的に新聞を活用していく。実践を行うことで子どもたちが物事をさまざまな角度から見て、その事象を多面的に捉えることができるようにしたい。
 (稲葉研二)

 ■東海大付属小
 「小学生も社会の一員」です。世の中の出来事に対し多面的に考えることができる子を育てたいとディベートを取り入れています。時事に着目し、子どもたちが10年後、20年後に直面する問題を議論に設定するようにしています。
 (山本雄登)

 ■島田川根小
 本年度は、子どもの近くに新聞がある環境づくりを行ったり、好きな写真や気になる見出しを使った学習活動を行ったりすることを通じて、子どもたちが新聞を手に取り、身近に感じることを目標にし活動を進めています。
 (松永繁生)

 ■浜松平山小
 低学年では言葉集め、中学年では学習の資料、高学年ではスピーチなどの題材として、新聞を活用していきたいと思います。また、子どもたちが新聞を身近に感じられるように、廊下や教室の環境も整えていきたいと思います。
 (伊藤公子)

 ■南伊豆中
 身の回りに新聞があり、いつでも手に取って読める環境をつくることで、生徒が世の中で起こっている出来事に関心を持ち、自分なりの意見を持って現代社会の動きをみることができるようにしたい。
 (一森康佑)

 ■裾野深良中
 毎朝10分間、取り上げた新聞記事を全校で読む活動(「グローバル・アイ」と呼称)に重点を置き、世の中に目を向け情報を的確に判断する力に加え、本年度は自分の考えを表現できる生徒の育成を目指しています。
 (北尾昌彦)

 ■静岡清水興津中
 国語科・社会科・道徳などの教科で、新聞を使った授業を工夫していきたいです。新聞を通して社会を知り、自分の考えを持てるようにさせたいと考えています。また、文章を読み、まとめる力の向上も目標です。
 (立林学)

 ■静岡高松中
 本年度は、生徒が気軽に新聞に接したり親しんだりすることを中心に活動していく。そして、新聞のスクラップや教材化を実践することで、社会に対する視野を広げ、情報の収集や発信の能力を高めていきたい。
 (野田修)

 ■浜松積志中
 本年度も新聞記事をまとめ、自分の意見を書き、気になったことを調べるスクラップノートを作成し、週1回程度提出する取り組みを行っている。授業内でも記事をじっくりと読み論述させる時間を設けていきたい。
 (若原昌史)

 ■裾野高
 「ICTを活用したNIE」をテーマに紙の新聞に加え各紙の「電子版」を講読、切り抜きや編集、タブレット端末の地図アプリとの組み合わせをしています。成果は、地元でのフィールドワークや沖縄への修学旅行で活用していきます。
 (伊藤智章)

 ■駿河総合高
 校内にプチNIEボードを設置しています。今年は報道部生徒が新聞スクラップ壁新聞の掲示を始めました。「語彙[い]・読解力検定」に挑戦して成果を実感する生徒を増やすことが今年の目標です。
 (深沢邦洋)

 ■島田商高
 生徒がさまざまなテーマの記事に関心を持ち、主体的に社会事象を学習することが目標です。記事に対して自分の考えを書きまとめて考察力を高めるとともに、他者と意見交換し、自分の考えを伝える表現力も育みます。
 (小平和美)

 ■金谷高
 3年総合コースの生徒が履修している新聞講読の授業で、新聞の種類や紙面構成の説明から始め、時々のトピックスを取り上げて時事問題の解説を主に行う。生徒による新聞記事のグループ発表や投書も実施する予定。
 (小川隆司)

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 【2015度実践指定校】
 新規=東海大付属小 継続=裾野高、駿河総合高、島田商高、静岡清水興津中、南伊豆中、静岡清水三保第一小、浜松平山小、富士田子浦小、島田川根小、金谷高、静岡高松中、浜松積志中、裾野深良中

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県NIE推進協議会総会で実践指定校推薦が承認され、抱負を語る各校担当教諭ら=6月下旬、静岡市内