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SBSテレビ 静岡市歴史めぐりまち噺し

最明寺を訪ねる

2023年12月24日放送の「静岡市歴史めぐり まち噺し」は、最明寺を訪ねます。
語り:春風亭昇太

静岡市清水区由比町屋原の北に位置する最明寺は、鎌倉幕府の5代目執権北条時頼が開いたとされます。

最明寺の本尊は、宝冠をつけた、木造阿弥陀如来坐像。胸瓔珞(むなようらく)と呼ばれる装飾を胸にかけた仏像は全国的にも珍しいと言われています。この仏像は、右側半分と左側半分を別々に彫って合わせるという難しい技法で作られています。この技法を好んで用いたのが鎌倉時代を代表する仏師、運慶と快慶。この阿弥陀如来は快慶、もしくはその弟子の作と伝わり、市の有形文化財に指定されています。

最明寺境内の観音堂には、明治初期に廃寺となった慈眼院の本尊だった十一面観世音菩薩が祀られています。仏堂を小さくしたような形の極彩色の厨子に納めた菩薩像は、「物見山観音」と呼ばれ、駿河三十三観音霊場のひとつとして、今も参拝が絶えないと言います。

高台にある最明寺の境内に駿河湾を望んで立つ槙の木。寺が開かれる前からあったとも言われるこの古木は、樹齢700年以上と伝わります。昭和の終わりころに、木の幹部分が腐食して枯れかけてしまいましたが、植木職人の手によって奇跡的によみがえりました。「奇跡の木」と呼ばれて最明寺のシンボル的な存在となり寺に集う人たちを見守っています。

静岡市歴史めぐり まち噺し 今日のお噺しはこれにて。

静岡市の観光親善大使でもある春風亭昇太師匠の語りで、歴史や文化、特産品など、静岡市の魅力を紹介するミニ番組です。(毎週日曜日ひる12時54分放送)

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