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SBSテレビ 静岡市歴史めぐりまち噺し

駿河湾の桜えびのお噺し

2023年12月3日放送の「静岡市歴史めぐり まち噺し」は、駿河湾の桜えびのお噺しです。
語り:春風亭昇太

世界でも限られた場所にしか生息しないとされる桜えびは、その美しさから、「海の宝石」とも呼ばれます。

日本で唯一、桜えびが獲れる、駿河湾。

桜えび漁の歴史は、偶然の産物から始まったとされています。明治27年、由比の漁師が鯵の網引き漁をしていた時に、深く潜ってしまった網に、思いがけず大量の桜えびがかかったといいます。

時を経て、桜えびは貴重な海の恵みとして乱獲から守られ、現在は、春と秋の限られた漁期にのみ水揚げされています。漁期には、富士川の河川敷で桜えびが天日干しされ、富士山を背景に桜色のじゅうたんを広げたかのような景色が季節の風物詩となっています。

桜えびが獲れる由比に伝わる郷土料理、「桜海老の沖あがり」。豆腐やネギなどの野菜をすき焼き風に煮込み、仕上げに生の桜えびを入れて色が変わると出来上がりです。

魚群探知機や、網を巻き上げるローラーもなかった時代、桜えび漁は長時間にわたる重労働でした。漁で冷えた身体を温め、疲れを癒そうと生まれた漁師の賄い料理が「桜海老の沖あがり」の始まりでした。浜で漁師の帰りを待つ家族は、豆腐や野菜を鍋で煮込んでおき、船が着くと沖から上がったばかりの桜えびを入れて仕上げたのです。「桜海老の沖あがり」は令和4年度、文化庁の100年フードに認定されました。

静岡市歴史めぐり まち噺し 今日のお噺しはこれにて。

静岡市の観光親善大使でもある春風亭昇太師匠の語りで、歴史や文化、特産品など、静岡市の魅力を紹介するミニ番組です。(毎週日曜日ひる12時54分放送)

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