【泥ノ田犬彦さんの「君と宇宙を歩くために」】「切実さ」が響き合う
勉強もバイトも長続きしない「底辺高校のヤンキー」小林。物事の同時処理が苦手で日常の行動をメモ化している宇野。「人と同じように生活するのに工夫が必要」な宇野に小林は共感し、自身の行動を変化させていく。「優しさ」「ひたむきさ」とは別種の、互いの「切実さ」が響き合う点が感動的。平成期が舞台なのは2020年代と対比する意図か。情報ツールの発達は他者との距離を縮めた。だが「性質の違い」は不可視化されている。(は)
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