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静岡新聞教育文化部

【静岡市美術館の「京都 細見美術館の名品」展】初期の鶏図、群舞する鶏図

静岡新聞教育文化部が200字でお届けする「県内アートさんぽ」。今回は、静岡市葵区の静岡市美術館で4月13日に開幕した「京都 細見美術館の名品ー琳派、若冲、ときめきの日本美術」展。京都・細見美術館の日本美術コレクションが静岡市に上陸。会期は5月26日まで。

「奇想の画家」伊藤若冲の19件が順路の掉尾を飾る。「雪中雄鶏図」は、字「景和」を署名とした30代前半の作。雪に囲まれ餌をついばむ赤顔の鶏は、立体物を想起させる迫力。真実性を追求する若き若冲の偏執的な筆遣いが見て取れる。対照的なのが、1797年頃に描いた洒脱なタッチの墨画「鶏図押絵貼屏風」。鶏12羽の軽妙な振る舞いは舞台で見えを切る役者のよう。鶏を描いた若冲の半世紀。時間の流れが画面に表出している。(は)

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