臨界事故隠し語り継ぐ式典 「不断の努力を」志賀原発

 北陸電力は、志賀原発1号機(石川県志賀町)で1999年に発生した臨界事故を約8年間隠蔽した事実を語り継ぐ式典を12日、原発構内で開催し、松田光司社長が「あの日を忘れず、不断の努力を続ける」と訓示した。再発防止に向け、事故が起きた日付の6月18日を新たに「安全と公正・誠実を誓う日」とし、毎年関連行事を開く。

式典で鼓を鳴らす北陸電力の松田光司社長=12日午前、石川県志賀町
式典で鼓を鳴らす北陸電力の松田光司社長=12日午前、石川県志賀町

 式典は事務建屋で行われ、北陸電や協力会社の社員ら計約50人が出席。この場所に、事故や隠蔽の経緯などを説明するパネルを並べた専用エリアを新設した。松田社長は「すべての当事者らと今日の誓いを胸に刻む」と話し、モニュメントとして設置した青銅製の鼓を1回打ち鳴らした。
 99年に発生した1号機の臨界事故では、定期検査中に一部の制御棒が抜け落ち、約15分間にわたり臨界状態になった。北陸電は国などへ報告せず、2007年3月、事故を隠していたことを公表した。
 志賀原発を巡っては原子力規制委員会が今年3月、「敷地内に活断層はない」とする北陸電の評価は妥当と判断して従来の立場から転換。北陸電は2号機の再稼働を目指すが、審査の長期化が見込まれている。

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