林外相、アジア・アフリカ歴訪へ 新興国と関係強化

 林芳正外相は27日~8月4日の日程でインド、南アフリカなど南西アジアとアフリカの計6カ国を歴訪する。グローバルサウスと呼ばれる新興・途上国との関係強化を図る狙い。中国の覇権主義的な行動やロシアのウクライナ侵攻を踏まえ、法の支配に基づく国際秩序の維持に向けた協力を確認したい考えだ。

林芳正外相
林芳正外相

 他の訪問先はスリランカ、モルディブ、ウガンダ、エチオピア。林氏は25日の記者会見で「南西アジア、アフリカの安定と発展はインド太平洋地域の平和と繁栄につながる。声を聞き寄り添うことが重要だ」と述べた。
 最初に訪れるインドは、日米、オーストラリアとの協力枠組み「クアッド」に参加する一方、中国やロシアとの新興5カ国(BRICS)のメンバーで、グローバルサウスの代表格。外相会談では「自由で開かれたインド太平洋」実現の具体策を議論し、9月にインドで開かれる20カ国・地域(G20)首脳会議の成功へ協力を申し合わせる。
 スリランカはシーレーン(海上交通路)の要衝。中国への多額の負債に苦しんでおり、林氏は債務再編を後押しする意向を伝える。
 アフリカにはウクライナ侵攻に中立的な国が多い。南アで8月下旬に開かれるBRICS首脳会議にはロシアのプーチン大統領がオンライン参加を予定しており、林氏は国際秩序維持の重要性を事前に訴えたい考えだ。

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