岸田首相、ブラジル訪問を検討 5月、パラグアイも浮上

 岸田文雄首相が大型連休中の5月上旬、今年の20カ国・地域(G20)議長国を務めるブラジル訪問を検討していることが分かった。南米で唯一、台湾と外交関係を持つ隣国パラグアイも訪問先として浮上する。フランスで5月2、3両日に開かれる経済協力開発機構(OECD)閣僚理事会に出席し、演説する方向だ。日本は今回、10年ぶりに議長国を務める。政府関係者が23日、明らかにした。

首相が検討する5月外遊の狙い
首相が検討する5月外遊の狙い

 首相は1月にブラジルを含む南米歴訪を調整したが、自民党派閥の裏金事件への対応を優先して見送った経緯がある。実現すれば、南米訪問は2021年の首相就任以降初めて。国際社会で存在感を増す「グローバルサウス」と呼ばれる新興・途上国との連携強化を図る狙いがある。
 ブラジルではルラ大統領との会談に臨む。貿易投資拡大を促進するため、ビジネス環境の整備について協議。気候変動や飢餓・貧困対策での連携も議題となる見通しで、11月のG20首脳会議の成功に向けた協力を申し合わせる。両首脳の対面での会談は、昨年5月に先進7カ国首脳会議(G7広島サミット)の際に実施して以来となる。パラグアイのペニャ大統領とは、東アジアを含む国際情勢に関し意見交換し、連携を図るとみられる。
 今年は、日本がOECDに加盟して60周年の節目となる。首相は議長国として、自由貿易の推進や生成人工知能(AI)の国際ルールなどの議論をリードしたい考えだ。OECD加盟がない東南アジアとの関与の強化も打ち出す見通しだ。

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