34年ぶり円安続く 一時153円30銭台後半

 12日の東京外国為替市場の円相場は対ドルで下落し、一時1ドル=153円38銭と1990年6月以来、約34年ぶりの円安ドル高水準を更新した。米連邦準備制度理事会(FRB)の早期利下げ開始観測が後退し、日米金利差を意識したドル買い円売りが広がった。

一時1ドル=153円30銭台後半を付けた円相場を示すモニター=12日午後、東京都港区の外為どっとコム
一時1ドル=153円30銭台後半を付けた円相場を示すモニター=12日午後、東京都港区の外為どっとコム

 鈴木俊一財務相は12日午前に「行き過ぎた動きに対してはあらゆる手段を排除することなしに適切に対応を取っていきたい」と述べ、円安をけん制。為替介入も辞さない考えを示唆していたが、午後に円を売る動きが強まった。
 午後5時現在は前日比12銭円安ドル高の1ドル=153円24~25銭。ユーロは77銭円高ユーロ安の1ユーロ=163円73~77銭。
 円安が続く背景には、日米の金利差がある。10日発表の3月の米消費者物価指数が市場予想を上回ったことでFRBが利下げを先送りするとの観測が広がり、米長期金利が上昇。日米金利差は当面開いた状況が続くとの見方から、円相場は1ドル=153円台に急落した。
 11日発表の3月の米卸売物価指数もインフレの根強さを示し、ドル買い円売りにつながった。
 りそなホールディングスの井口慶一シニアストラテジストは「介入警戒が高まる水準と意識されてきた152円台を突破したので、次は155円が意識される」と指摘。米国でインフレ沈静化を示す手がかりなどがない限り「円安トレンドは変わらない」と話した。

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