徴兵対象者帰還へ支援 ウクライナに近隣国 示唆【ウクライナ侵攻】

 【ベルリン共同】ロシアによる侵攻の長期化で兵員確保を急ぐウクライナに対し、近隣国のポーランドとリトアニアが両国に住むウクライナの徴兵対象年齢の男性帰還を支援する可能性を示した。ロイター通信によると今年1月時点で欧州連合(EU)加盟国には避難民らウクライナ人430万人が滞在し、うち86万人が成人男性。ポーランドには20万人のウクライナ男性がいるとの推計もある。

ロシア、ベラルーシ、ウクライナ、ポーランド、リトアニア、ドイツ
ロシア、ベラルーシ、ウクライナ、ポーランド、リトアニア、ドイツ

 総動員令が出ているウクライナでは、18~60歳の男性の出国が原則禁止されている。未成年の子どもが3人以上いる場合などは免除されるが、徴兵を逃れるために出国した人も多いとされ、批判が高まっている。
 ウクライナメディアなどによると、同国政府は最近、国外に住む徴兵対象年齢の男性への旅券発行など一部の領事サービスを停止した。ポーランドではパスポートを発給するウクライナ総領事館にウクライナ人が殺到しているという。
 ポーランドのコシニャクカミシュ国防相は24日、地元メディアで「ウクライナ人が徴兵逃れで国外に出た人たちに不満を持つのは正当だ」と指摘。ウクライナからパスポート期限が切れた徴兵対象者の帰還を求められた場合、どう対応するのかとの質問に「あらゆる支援が可能だ」と述べた。
 リトアニアのカシュウナス国防相も25日、ポーランドの対応を「正しい方法だ」と述べ、追従する考えを示した。「国のために戦っている(ウクライナ)国民に対し、フェアではない」と徴兵逃れを非難した。
 国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)によると、ウクライナからの避難民が多いのは3月時点で約115万人がいるドイツと、昨年12月時点で約96万人のポーランド。大半が女性と子どもだが男性も少なくないとされる。

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