海洋可視化へ新システム 政府 開発重点戦略を決定

 政府は26日、総合海洋政策本部会合を持ち回りで開いた。海洋資源確保や経済安全保障の強化を目指し、省庁横断で取り組む重要施策をまとめた「海洋開発等重点戦略」を決定した。海の状況を一元的に可視化する「海洋状況把握(MDA)」能力向上のため、新たなシステムを開発。海中を自動航行する自律型無人探査機(AUV)の利用を進めると明記した。
 松村祥史海洋政策担当相は26日の記者会見で「海洋大国としてのわが国の成長のため、海洋の開発、利用の推進は極めて重要だ」と述べた。
 MDAを巡り、海上保安庁は現在、政府が持つ地形や気象情報を集約し、地図上で重ね合わせる「海洋状況表示システム『海しる』」を運用している。政府はこれに民間のデータも取り込んだ「海しるビジネスプラットフォーム」を2029年度までに構築し、産業分野での利用や海外展開を検討するとした。人工知能(AI)を使ったデータ分析の本格化も掲げた。
 AUVは海洋分野の省人化に資するとして、国産化を進め、30年までに海外展開を可能にすると記載。領海や排他的経済水域(EEZ)の根拠となる国境離島の地形変化などを早期に把握できる「地形照合システム」の整備方針も盛り込んだ。

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