米、9460億円の支援表明 対ウクライナ、過去最大規模

 【ワシントン共同】オースティン米国防長官は26日の記者会見で、ロシアの侵攻を受けるウクライナに対して60億ドル(約9460億円)相当の軍事支援を表明した。対ウクライナでは過去最大で、24日に成立した約608億ドルのウクライナ支援緊急予算から充当する。地対空ミサイルシステム「パトリオット」用のミサイルや高機動ロケット砲システム「ハイマース」用の弾薬、155ミリ砲弾などが含まれる。

オースティン米国防長官(ゲッティ=共同)
オースティン米国防長官(ゲッティ=共同)
ペンタゴンで記者会見するロイド・オースティン米国防長官=26日、ワシントン(AP=共同)
ペンタゴンで記者会見するロイド・オースティン米国防長官=26日、ワシントン(AP=共同)
オースティン米国防長官(ゲッティ=共同)
ペンタゴンで記者会見するロイド・オースティン米国防長官=26日、ワシントン(AP=共同)

 オースティン氏は、ウクライナが求めているパトリオットなど高性能な防空システムの追加供与について、欧州各国と協議していると明らかにした。バイデン政権が24日に発表した10億ドル相当の軍事支援と合わせ「ウクライナ防衛への揺るぎない支援を明確に示すものだ」と強調した。
 今回の支援には対無人機システム、精密誘導兵器、戦闘用車両なども含まれる。オースティン氏は会見で「ウクライナは持ちこたえるだけでなく、さらなる選択肢を持てる」と戦況の好転に期待を示した。ロシアに関し、北朝鮮やイランの武器提供に支えられていると指摘した。
 サリバン大統領補佐官(国家安全保障問題担当)は26日、MSNBCテレビのインタビューで、ロシアが優勢との見方は「間違っている」と断じ、ウクライナが防衛に成功して「勝利できる」と述べた。欧米の支援継続などを理由に挙げ、米国内の砲弾製造量が年内に倍増することも有利に働くとの見方を示した。
 今回の支援は大統領権限で米軍の在庫から武器を供与するのではなく、軍需企業から兵器を購入する「ウクライナ安全保障支援イニシアチブ(USAI)」を活用する。

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