交渉停滞ならラファ侵攻 イスラエル警告、米協議も

 【エルサレム、ワシントン共同】パレスチナ自治区ガザでの戦闘休止を巡るイスラエルとイスラム組織ハマスの間接交渉で、仲介役を務めるエジプトの代表団が26日、イスラエルで同国当局者と会談した。米ニュースサイトのアクシオスは、イスラエル側がエジプト代表団に対し、交渉に進展がなければガザ最南部ラファへの侵攻に踏み切ると警告したと報じた。

イスラエル軍に破壊されたモスク=26日、パレスチナ自治区ガザ南部ラファ(ゲッティ=共同)
イスラエル軍に破壊されたモスク=26日、パレスチナ自治区ガザ南部ラファ(ゲッティ=共同)

 民間人被害拡大を懸念するバイデン米政権は侵攻に反対している。ニューヨーク・タイムズ紙によると、ブリンケン国務長官が来週イスラエルを訪れて侵攻などに関して協議する。サリバン大統領補佐官(国家安全保障問題担当)は26日、MSNBCテレビのインタビューで、間接交渉に「新たな機運がある」と述べ、進展に期待を示した。
 サリバン氏は「1週間前に状況を聞かれれば袋小路に陥っていると答えただろうが、今は解決に向けた新たな取り組みが進んでいる」と語った。
 アクシオスによると、エジプト代表団はイスラエル側との協議で、拘束する人質を解放するようハマスに圧力をかけると伝えた。イスラエル側は、ラファ侵攻には明確な期限があり「無意味な再協議」には応じない意向を伝達した。
 ハマスは恒久停戦とイスラエル軍のガザ完全撤収を要求。イスラエルはいずれも応じない意向で、間接交渉は難航している。エジプトは24日、カイロでのイスラエル側との協議で、ラファ侵攻で避難民が自国に流入し治安が悪化すれば、イスラエルとの関係断絶につながると警告した。
 イスラエル軍は26日もガザへの攻撃を続行。パレスチナ通信によると、南部ハンユニスや中部ヌセイラト難民キャンプ近郊で空爆があり、計5人が死亡した。

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