琵琶湖にサーフィン施設建設へ 複合型、28年5月開業目指す

 滋賀県出身の歌手西川貴教さんが発起人の野外音楽イベント「イナズマロックフェス」。会場がある同県草津市の烏丸半島に、人工的に起こした波でサーフィンができる複合型施設が2028年5月開業を目指し建設される。京都、大阪から近い琵琶湖南部で、地域経済が“波”に乗るよう関西全域を巻き込み一大観光地化を目指す。

サーフィン施設の完成予想図(株式会社JPF提供)
サーフィン施設の完成予想図(株式会社JPF提供)

 土地の優先交渉権を獲得したJPF(東京都)によると、新しい施設の名称は「WAVE PARK BIWAKO」(仮称)。一辺約160メートルの扇形の人工サーフィン場では、スペインの企業が開発した波を起こす装置を導入する。
 自然に近い環境でサーフィンが楽しめ、利用料は1時間当たり1万円ほどを想定。周囲にはレストランや宿泊施設などを設け、年間20万人の利用を見込む。
 烏丸半島には県立琵琶湖博物館や市立の植物公園があるが、中央部に市土地開発公社が所有する約9ヘクタールの未利用地があった。市が民間事業者に募集をかけ、公営競技事業を主な業務とするJPFを優先交渉権者にしたと4月、発表した。
 同社担当者は「京都など関西方面からの集客で、サーフィンの普及につながれば」。橋川渉草津市長も「日本を代表するにぎわい拠点になることを期待する」とコメントしている。

 イナズマロックフェス 主に滋賀県草津市の烏丸半島で2009年から秋に開催されている野外音楽フェス。発起人は西川貴教さんで、琵琶湖の環境保全と地域振興を掲げている。滋賀県のナンバープレートで滋の字にある二つの「幺」部分が虫の「ゲジゲジ」とやゆされることがあるが、「イナズマ」にも見えることから名称の由来となった。24年は9月21~22日に開催される予定。

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