少数民族の組織、独自に3人処刑 ミャンマー北東部、批判も

 【バンコク共同】内戦状態が続くミャンマーで、軍事政権から地域の支配権を奪った北東部シャン州の少数民族武装組織が独自の公開裁判を行い、殺人などの罪で組織の男性兵士3人に死刑判決を言い渡し即日処刑したと発表した。武装組織は「ミャンマー民族民主同盟軍(MNDAA)」。公開裁判と処刑は24日に行われた。
 MNDAAは「犯罪を抑止し市民を教育するため」だと主張。欧州連合(EU)はX(旧ツイッター)で死刑判決と処刑を批判した。ミャンマー各地で少数民族が支配地域を広げており、独自の司法や治安維持活動により混乱が深まる恐れもありそうだ。
 MNDAAが発表した声明と映像、民主派メディアの報道によると、公開裁判は中国国境に近いシャン州ラウカイで開かれ、市民ら約1万人が集まった。10人の被告が市民らの前に引き出されて起訴内容を告げられ、有罪判決を言い渡された。死刑判決を受けた3人は別の場所に連行されて処刑された。処刑の場面は公開されず、遺体は火葬された。
 MNDAAは昨年10月に国軍への一斉攻撃を仕掛けた組織の一つ。ミャンマーではシャン州の他、東部カイン(カレン)州、北西部チン州、西部ラカイン州などで少数民族が国軍への攻勢を強め支配地域を広げている。

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