ガザ恒久停戦議論 初提案 イスラエル、人質解放後 米報道 間接交渉で

 【エルサレム共同】米ニュースサイト、アクシオスは27日、イスラエルがパレスチナ自治区ガザでの戦闘休止などを巡る間接交渉で、人質解放後に恒久停戦を議論する用意があると、イスラム組織ハマスに初めて提案したと伝えた。イスラエルのカッツ外相は27日、地元テレビで交渉が「合意に至れば、ガザ最南部ラファへの侵攻計画を停止するだろう」と述べた。中止か延期かは不明。

27日、ガザ地区中部デールバラハへのイスラエル軍の攻撃後、破壊された建物付近で救助に当たる人々(ゲッティ=共同)
27日、ガザ地区中部デールバラハへのイスラエル軍の攻撃後、破壊された建物付近で救助に当たる人々(ゲッティ=共同)


 カタールやエジプト、米国を仲介役とする間接交渉が続く中、イスラエルがハマスに揺さぶりをかけた。一方、ハマスは27日、人質男性2人の映像を公開した。交渉で譲歩を迫る思惑とみられ、双方が神経戦を展開している。
 これまでの間接交渉でハマスは恒久停戦とイスラエル軍のガザ完全撤収を要求。イスラエルは応じていなかった。アクシオスによると、イスラエルの案にはガザ北部への避難民の帰還やガザを南北に分断している道路からの軍撤退など、ハマスの要求が含まれている。イスラエル当局者は「大幅に譲歩する意思を含む提案だ」と語った。
 ロイター通信は28日、ハマス代表団が29日、交渉のためにエジプトの首都カイロを訪問すると報じた。カタールのアンサーリ外務省報道官はイスラエル紙ハーレツのインタビューで「合意に近づいてはいるが、双方から妨害がある」と述べた。
 ハマスの映像に写っていたのはオムリ・ミランさん(47)とキート・シガルさん(64)。シガルさんは「ストレスが多く怖い」と涙を流した。背景は黒や灰色で、撮影場所は不明。ハマスは映像の字幕で「軍事圧力では人質解放に成功しない」と訴えた。
 パレスチナ通信によると、ラファの住宅に27日、空爆があり、少なくとも7人が死亡した。ガザ保健当局は28日、これまでのガザ側の死者が3万4454人になったと発表した。

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