債務再編へ協力 上川外相、スリランカに伝達

 【コロンボ共同】上川陽子外相は4日(日本時間同)、スリランカの最大都市コロンボでサブリ外相と会談した。スリランカの対外債務の問題を巡り、全ての債権国が関わる公正な債務再編に向けた協力を確認。インド洋のシーレーン(海上交通路)の要衝であるスリランカに対し、海図作成を支援するため音波探知機(ソナー)を搭載した船舶を供与すると伝えた。上川氏はウィクラマシンハ大統領とも面会した。
 上川氏は、債務再編へのスリランカ政府の意思が確認されれば、円借款事業を早期に再開する意向を説明。インド太平洋地域の成長実現へ協力する考えを示した。会談に先立ち、上川氏は能登半島地震の被災地、石川県輪島市の伝統工芸品「輪島塗」のボールペンをサブリ氏に手渡した。
 スリランカは中国などから借り入れた多額の資金返済に行き詰まり、2017年に主要港の権益を中国系企業に貸与した。その後も債務が膨らみ、経済危機に陥っている。日本、インド、フランスなどの債権国による協議体は23年、債務再編の協調実施を確認した。

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