静岡県知事「国交省会議に県会議委員を」 生物多様性部会の2人要望へ【大井川とリニア】

 川勝平太知事は8日の定例記者会見で、リニア中央新幹線工事に伴う大井川の水問題を巡り、生物多様性への影響を議論する今後の国土交通省専門家会議の委員に関し、県有識者会議の生物多様性専門部会から2人の委員を入れるように同省に要望する意向を明らかにした。
 国交省会議は2020年4月から21年12月まで約1年8カ月間かけて水資源への影響を議論した。7人の専門家が委員を務め、県会議の地質構造・水資源専門部会の委員2人が含まれた。
 リニア工事がもたらす生物多様性への影響については、県会議の生物多様性専門部会の議論が先行している。斉藤鉄夫国交相は「国交省の会議でも議論する」と1月末に表明した。
 川勝知事は「国交相の発言を歓迎する」とした上で、今の国交省会議の委員は生物多様性については「専門外」と指摘。「委員を入れ替えないといけないと推測する。国交省会議の議論を県会議に持ち帰る流れのためにも、水資源の議論と同様に、県会議の生物多様性専門部会の委員に(国交省会議に)入ってもらいたい」と述べた。人選については現時点で公募は考えていないとした。
 県会議については3月末までに、地質構造・水資源と生物多様性の両分野の専門部会をそれぞれ開いてJR東海の説明を聴く方針も明らかにした。
 水問題でJRとの協議を担当し、5月に2期8年の任期満了を迎える難波喬司副知事の再任に関しては「まだ思案している。チームワークが広がり、県民運動になりつつある。1人の力量に依存するということではない」と述べた。

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