静岡県知事、空港新駅「取引材料にならず」 トンネル工事の水問題で認識【大井川とリニア】

 リニア中央新幹線南アルプストンネル工事に伴う大井川の水問題を巡り、川勝平太知事は22日の定例記者会見で、県がJR東海に要望していた東海道新幹線の静岡空港新駅の設置について「(水問題の)取引材料とは到底言えない」とする認識を示した。
 静岡空港を含めた牧之原台地の水利用が大井川に依存していることを挙げ「トンネルを掘って結果的に水が枯渇したり、流量が不安定になったり、水質が悪化したりして、周りの人が生きていけなくなったら、空港としての機能を持てない」と説明。「トンネル工事の安全性、(南アルプスの)生態系の保全、(大井川の)命の水の確保が確実にできるという見通しが立った時に初めて話題になる」と述べた。
 国土交通省の審議会がリニア整備による新幹線の県内駅停車増や新駅設置の可能性を示したことを踏まえ、県は空港新駅設置の調査費を2014年度から予算計上していたが、20年度以降は計上を見送っている。
 川勝知事はこの日の会見で、山梨県の長崎幸太郎知事が議論する意向を示したリニアの東京・品川―甲府間の先行開業について「もっともだ。甲府から東に行くルートは選択肢が提供されたことはない。運賃や需要予測についても付加的な情報が入るので(長崎知事の)提案は十分に理由がある」と支持する姿勢を見せた。

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