水量、水質維持を要望 大井川2漁協、知事に【大井川とリニア】

 リニア中央新幹線工事に伴う大井川の水問題を巡り、中下流域を管轄する大井川漁協(鈴木敏夫組合長)と新大井川漁協(鈴木捷博組合長)の役員が11日、県庁に川勝平太知事を訪ね、水量と水質の現状維持を要望した。

川勝平太知事(左端)に要望書を手渡す大井川漁協の鈴木敏夫組合長(左から2人目)=11日午後、県庁
川勝平太知事(左端)に要望書を手渡す大井川漁協の鈴木敏夫組合長(左から2人目)=11日午後、県庁

 要望書には「近年は気象の変化も加わって冬期の表流水が国の定めた維持流量(河川の機能を維持するために必要な水量)を割り込み、今以上の表流水の減少は魚類への致命的なダメージになる。流量保全は喫緊の課題だ」と明記した。
 大井川漁協によると、昨年のアユ漁獲量は渇水の影響で例年の半分に減った。川根本町の町長を昨年まで務めた同漁協の鈴木組合長は「リニア工事が始まると水環境が大変厳しくなる。水量も当然だが、水質の問題でも厳しい対応をお願いしたい」と述べた。新大井川漁協の鈴木組合長は「JR東海に一歩も引かないで頑張ってほしい」と激励した。
 川勝知事は「5分、10分早くするためにトンネルを掘るのがいいのか。水に依存する命をつながないといけないので一歩も引けない。他に選択肢はない。JRは他に選択肢があるのではないか」と応じた。

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