袴田さん支援表明にも署名、キエフ市長 静岡県内関係者ら案じる ボクシング元世界王者
ロシアによるウクライナ侵攻で、裁判のやり直しを求める元プロボクサー袴田巌さん(86)の支援者らもウクライナの状況に心を痛めている。攻防戦が続く首都キエフのビタリ・クリチコ市長はヘビー級の元世界王者で、袴田さんの支援に理解を示していた。ボクシングでつながる袴田さんの支援者らは、ビタリ市長らウクライナ国民の安全と早期停戦の実現を祈る。
日本プロボクシング協会袴田巌支援委員会の新田渉世委員長(54)によると、ビタリ市長は現役の世界王者だった2013年、タイで開かれたWBC(世界ボクシング評議会)の総会で袴田さんの支援表明に署名した。支援を呼び掛ける文章を熟読していたという。
新田さんは「(ビタリ市長は)暗殺リストに載っているとも聞く。ロシアにもロシアの考えがあるとは思うが、武力で踏み込んではいけない」と懸念を示す。
袴田さんの姉ひで子さん(89)は太平洋戦争で疎開を経験した。ひで子さんはウクライナ侵攻を「とにもかくにも戦争はいけない。始めた方が悪い。早く終わってほしい」と強調した。