国交省、議事録公表せず ルート選定時議論【大井川とリニア】

 国土交通省が、リニア中央新幹線のルートを議論した2010年の交通政策審議会中央新幹線小委員会の議事録を公表していなかったことが25日、同省への取材で分かった。同省は要点をまとめた「議事要旨」を公表しているが、会合は非公開で、誰がどのような発言をしたかは分からず、ルートの選定過程や議論の検証に支障を来す事態となっている。
 同小委員会は同年10月の第10回会合を非公開とし、ルートや環境、中央新幹線の意義と必要性、走行方式などを議論した。公開された直前の第9回会合の議事録によると、事務局の同省担当課長が「議事録については後日公開するという形での公開性を担保した形での開催を」と説明し、次回会合の非公開を提案。家田仁委員長が「議論自身は非公開にして(中略)議事録は公開する」と表明していた。
 しかし、同省の小委員会ホームページを確認すると、第10回会合はテーマ別に要点を箇条書きにした「議事要旨」の掲載のみで、議事録は見当たらない。
 同省の担当者は取材に、議事要旨について「そのままの議事録ではなく、項目別に作成した」と説明し、議事録自体の作成は「確認できない」と回答した。
 リニア計画は大井川上流域の南アルプスを貫通するルートが採択された。ルート選定を巡っては川勝平太知事が、詳細な決定過程を開示するよう同省とJR東海に求めている。

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