記者コラム「清流」 雨もまたよし

 掛川市横須賀地区で4月初旬の3日間、三熊野神社大祭が開催され、3年ぶりに祢里(ねり)と呼ばれる山車の引き回しが行われた。桜吹雪が舞う中、高さ6メートルの祢里が揺れる姿は華やかで、13町それぞれに特徴があって見応えがあった。
 最終日は朝からあいにくの雨。前日の春の陽気とは違い、季節外れの寒気だった。参加者の気持ちが沈まないか心配だったが、祭りを紹介する冊子によると、横須賀では昔から雨が降っても祢里の引き回しを中止したことがないという。
 横須賀の人に言われたのは「雨もまたよし」の言葉。町に出ると祢里に専用のビニールシートを掛け、前日と変わらぬ威勢のいい若者たちの声とお囃子(はやし)の音が聞こえてきた。
 (掛川支局・伊藤さくら)

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