記者コラム「清流」 直径10センチの配管
菊川市で5月に発生した断水は約6700世帯に影響を及ぼした。原因は地中約1.2メートルに埋まっていた水道管の破断。市によると、老朽化や交通量の多さなどが原因とみられる。
断水が続いた数日間、給水所にはタンクを持って何度も足を運ぶ市民の姿があった。幼い子どもの飲み水を確保するために早朝からドラッグストアに向かった母親、親戚宅に身を寄せて過ごした高齢男性の話も聞いた。
原因の水道管が見つかったのは、市が漏水調査を開始して5日目のこと。地中から見つかった配管は真っ二つに割れ、横にずれていた。配管の直径はわずか10センチ。想像していたより細く驚いた。同時に、この細い配管が50年もの間、地域住民の生活を支えていたのだと実感した。
(掛川支局・伊藤さくら)