高齢者に寄り添う移動眼鏡店 磐田の大石さん、施設や中山間地へ

 新型コロナウイルス禍を受け、車両を使った移動販売が全国的に広がりを見せる中、免許を返納して移動手段がない地域の高齢者に寄り添い、視力測定や眼鏡の修理、販売を手掛ける移動店舗車が静岡県内に登場した。磐田市駒場の眼鏡時計販売店「時計・メガネ おおいし」3代目代表の大石剛生さん(44)が発案した。県西部の福祉施設や中山間地域の個人宅などを対象に、サービスを展開する。

視力測定機器の説明をする大石代表=磐田市海老島
視力測定機器の説明をする大石代表=磐田市海老島
車いすのまま車内で視力検査ができるよう設けたリフト
車いすのまま車内で視力検査ができるよう設けたリフト
視力測定機器の説明をする大石代表=磐田市海老島
車いすのまま車内で視力検査ができるよう設けたリフト

 同店は1950年の創業。顧客の高齢化が進み、コロナ禍で来店者が減少する状況下、地域の老舗ならではの新サービスとして移動店舗を思いついた。大石さんは「眼鏡は加齢による視力の衰えを補う生活必需品。気軽に来店するのが難しいお年寄りの支援につなげたい」と説明する。
 車両は高さ約2・5メートル、全長約7メートルのマイクロバスを改良した。大手の眼鏡店も車による移動店舗を展開しているが、大石さんの移動店舗は車いすのまま車内で測定できるようリフトを設け、目の病気の発見につながる高精度の測定機器も備えるなど、高齢者に配慮し、特色を出した。
 5月26日、福祉関係者らを招き、移動店舗車のお披露目式を同市海老島で開いた。車いす用リフトや視力の測定用機器、眼鏡を250本収納できる棚などを紹介し、検査のデモンストレーションも行った。
 大石代表は「時代のニーズに合わせた商店の挑戦。地域の健康増進の一助になればうれしい」と話した。

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