沖縄慰霊の日前に 県民犠牲者名、読み上げ配信 静岡の語る会

 23日の沖縄慰霊の日を前に、沖縄にゆかりある静岡県民でつくる「静岡・沖縄を語る会」は16、17の両日、静岡市葵区の「ギャラリー集」で、沖縄戦などで犠牲になった県民1715人の名前を読み上げた。全国各地の団体がリレー形式で名前の読み上げをつなぐイベントに参加し、動画投稿サイト「ユーチューブ」で生配信した。

沖縄戦の犠牲者を弔い名前を読み上げる「静岡・沖縄を語る会」のメンバー=静岡市葵区の「ギャラリー集」
沖縄戦の犠牲者を弔い名前を読み上げる「静岡・沖縄を語る会」のメンバー=静岡市葵区の「ギャラリー集」

 イベントは今年初めて企画された「沖縄『平和の礎』名前を読み上げる集い」(同実行委員会主催)。全国の参加団体が、米軍死者を含め計約24万人の犠牲者の名前読み上げを西から東へと受け継いで弔った。
 語る会は会員約350人で活動。沖縄の実情を静岡県民に知ってもらうため、月2回の米軍基地反対運動や沖縄の歴史を振り返る写真展を続けてきた。17日の「集い」では三重県からバトンを受け継ぎ、メンバー7人が交代しながら名前を読み上げた。参加者は「沖縄に本当の平和を取り戻したい」と犠牲者に思いを寄せていた。
 語る会の創設メンバーの池田一さん(79)は、罪のない人が戦争に巻き込まれたことなどに言及し、「未来ある人々の命が奪われたことを考えると胸がつまる。沖縄はまだ復帰していないと思う」と涙ながらに訴えた。

いい茶0
あなたの静岡新聞 アプリ
地域再生大賞