記者コラム「清流」 共感の観光地、御殿場に

 御殿場は観光地ではない-。取材先で以前、こんな考えを聞いた。2020年度の観光交流客数約1029万人は静岡市に次ぎ県内2位。だが、観光客が訪れるのは一部の施設で「御殿場の中に観光地があるだけ」と指摘された。
 休日にアウトレットや箱根外輪山にあるカフェを訪ねると、富士山を撮影する行楽客の姿を目にする。私たち市民には当たり前の光景を求め、何時間かけて来たのか-と、ちょっと誇らしい気持ちになる。一方、コロナ前には週末の渋滞や一部観光客のマナーが問題視されたのも事実だ。
 御殿場ボランティアガイド協会のガイド養成講座をはじめ、地域の魅力を伝える人材の育成が進む。社会経済活動が活発化した時、来訪者と住民が魅力を認め感動し合う。共感の観光地を目指したい。
 

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