家庭ごみ有料化 浜松市が意見募集開始 制度素案、周知に力

 家庭ごみ処理の有料化を検討している浜松市は8日から、制度素案についての意見を市民から募集する。市ホームページで新たに公開したごみ減量の必要性や制度素案に関する2本の動画をはじめ、全戸配布するリーフレット、市内46カ所で開催する説明会などを通じ、市民に広く制度の周知を図る。締め切りは10月7日。

浜松市の家庭ごみ有料化制度(素案)の主なポイント
浜松市の家庭ごみ有料化制度(素案)の主なポイント

 素案によると、有料化の対象は可燃ごみと不燃ごみ。既存指定袋とは別の新たな指定袋を用意し、手数料を上乗せして販売する。価格は1リットル1円で、現在10円程度の45リットルは45円になる。1~4人家族を想定すると、単純換算で負担増加額は月175~315円。仮に分別などが進み、10%程度のごみ減量が図られた場合には購入費が抑えられるため、負担増加額は月40~270円になると想定する。
 紙おむつやストマ用装具の使用者などの世帯には指定袋を一定枚数配布するなどの減免措置も盛り込む。手数料は集積所や集団回収、地域清掃に関する支援の拡充、不法投棄対策の充実などに充てる。ボランティアへの指定袋の配布なども検討しているという。実施には条例改正が必要で、1年程度の準備期間も設ける。
 公開した動画は各10分程度。12日の蒲協働センター(東区)を皮切りに開催する説明会でも上映する。意見は動画公開ページ内の意見フォームをはじめ、メールやファクス、郵送で受け付ける。問い合わせは市ごみ減量推進課<電053(453)0026>へ。
 

記者の目 まず知って、減量考えたい

 家庭ごみ処理の有料化は、ごみ減量や資源化の促進、市民の意識向上を図るための施策として国が推進している。県内では湖西市や掛川市など20市町が実施し、全国では65%強の自治体が導入する。
 市内では家庭ごみの減量が進まず、排出量はここ数年、横ばいが続く。市は2018~20年度に集中して事業展開したが、減量効果はなかった。もちろん、ごみ減量に取り組んでいる市民は多いが、二酸化炭素の排出削減やごみ処理施設の長寿命化、将来負担の軽減を考えると今後、無関心層の意識向上、協力は欠かせない。
 制度素案公表後、一部では現在の指定袋を買いだめする動きもあったという。素案では現在の指定袋とは別の袋を製造するため、買いだめする必要はない。このようなところからも、制度がまだ周知されていないことが分かる。賛否はともかく、まずは制度を知り、ごみ減量について考えるところから始めたい。

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