リニア論争「環境への影響客観的視点を」 常葉高で難波県理事が講義

 常葉大は13日、同大付属常葉高の生徒に対する主権者教育の一環として静岡県の難波喬司理事を講師に招き、「リニア中央新幹線」をテーマにした授業を静岡市葵区の同校で行った。

「リニア中央新幹線」をテーマに講義をする難波県理事=静岡市葵区の常葉大付属常葉高
「リニア中央新幹線」をテーマに講義をする難波県理事=静岡市葵区の常葉大付属常葉高


 高校生の授業は初めてという難波理事は、リニア問題を巡る県とJR東海、国との折衝の経緯などについて、1~3年生約20人に説明した。リニア問題に関する賛否に対し「考え方の違いでなく、論争の根底に目を向けて」と訴えた。
 南アルプストンネル工事の難度については図を用いて紹介。「10メートルトンネルが通っただけで地層の構造が変わる」と指摘し、「環境に与える影響を客観的に見る必要がある」と強調した。生徒からは「(リニア中央新幹線が走行中に)地震が起きた時の訓練はしているのか」「工事が始まった後、水が減少したらどう対応するのか」などと質問が飛んだ。
 教育現場で新聞を活用する「NIE活動」で1年前からリニア中央新幹線について学んできた3年生の住友菜花さん(17)は「水問題が解消し開通しても、リニア新幹線自体、採算が取れないという問題がある」と指摘した。
 (社会部・天羽桜子)

いい茶0
あなたの静岡新聞 アプリ
地域再生大賞