登山者の拠点建設進む 富士山須走口5合目に情報センター 小山町「誘客好機」

 小山町の富士山須走口5合目で、インフォメーションセンター(仮称)の建設が進んでいる。来年、オープンする予定。長年設置を求めてきた町は「須走口にとって大きなチャンス。有効活用し、誘客につなげたい」と期待を込める。

建設が進むインフォメーションセンター=小山町の富士山須走口5合目
建設が進むインフォメーションセンター=小山町の富士山須走口5合目

 環境省が平屋建て117平方メートルの建物を建設している。今年11月に完成予定。町が管理運営を担い、周辺の見どころや登山情報を伝える。
 町によると、構想が浮上したのは2016年ごろ。富士山の世界遺産登録を受け、登山者の拠点となる「ビジターセンター」設置を国に要望した。当初は東京五輪・パラリンピックに合わせ20年のオープンを見込んだ。
 だが、国立公園内に位置するため関係機関の調整に時間がかかった。環境保全に逆行するとの見方もあり、町は関係省庁や自治体に丁寧に説明した。より大きな建物にすべきとの意見も出たが、必要最低限にとどめた。木材高騰による入札不調で建設も遅れた。
 5合目の山小屋「菊屋」を経営する渡辺昇・富士山須走口山内組合長は「有事の際の避難所となり登山者にとってはプラス」と話す。ただ、誘客には同センターよりも麓にある「道の駅すばしり」の活用が不可欠だと指摘する。
 町は今後、国と協議しながら同センターの運営方法を決める。担当課は「安全登山を啓発すると同時に、富士山の価値をあらためて認識してもらう場所にしたい」としている。

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