瑞龍寺史を刊行 静岡 檀家有志が編さん

 徳川家康の正室の一人「朝日姫(旭姫)」の墓がある静岡市葵区井宮町の瑞龍寺はこのほど、同寺の約460年に及ぶ歴史をまとめた「瑞龍寺史」を刊行した。朝日姫の生涯や、同寺が歩んだ時代背景を解説している。

刊行された「瑞龍寺史」を手にする寺史調査委員会のメンバーら=静岡市葵区の瑞龍寺
刊行された「瑞龍寺史」を手にする寺史調査委員会のメンバーら=静岡市葵区の瑞龍寺

 朝日姫は豊臣秀吉の妹に当たり、家康の最初の正室だった築山殿の後継を務めた。そのような縁から、同寺には朱印状など秀吉や家康ゆかりの寺宝も現存している。
 同寺は1560(永禄3)年に開創。寺史の刊行は、2020年に460年、朝日姫没後430年の節目を迎えたことを記念した事業として進められた。今まで同寺の歴史をまとめた記録がなかったため、文書化して次世代に継承しようと、檀家(だんか)らでつくる護持会役員会の有志で「寺史調査委員会」を立ち上げた。
 明治の大火や戦災で文書が焼失している上、朝日姫に関する文献がほとんどなかった。同委員会のメンバーは図書館などで、地道に収集した資料や文献を参考に編さんした。岩本賢二委員長(74)は「朝日姫の存在や、貴重な寺宝が残っていることを知ってほしい」と話した。
 寺史は同市立中央図書館(葵区)などに寄贈され、閲覧もできる。A5判、173ページ。問い合わせは同寺<電054(271)2634>へ。

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