静岡人インタビュー「この人」 一般社団法人「ボウサイ・エデュラボ」の代表理事に就任する 上田啓瑚さん(静岡市駿河区)

 防災教育や災害ボランティアに積極的に取り組み、大学在学中は防災サークル「静岡大学学生防災ネットワーク」を仲間と創設。県内の高校生などを対象にした地域防災の担い手「防災ユースアンバサダー」プログラムにも力を入れる。現在は慶応大の大学院に通い、県内や首都圏で地域防災や学校防災の研究をする。三重県出身。23歳。

上田啓瑚さん
上田啓瑚さん

 ―防災に興味を持ったきっかけは。
 「防災活動に熱心な祖父母の影響。小学校の頃に地域の集いの場へ参加を勧められ、地域のつながりの大切さも学んだ」
 ―防災で課題だと思う点は。
 「地域の防災訓練などで同じ人しか参加していない現状と、防災教育の地域格差。日本に住む人は災害といつも隣り合わせだが、全員が参画・学習しているわけではない。学校での防災教育は、興味の有無に関係なく学べる貴重な機会だと思う」
 ―団体のモットーは。
 「『楽しい防災』と『脅さない防災』が合言葉。楽しいを目指すのは、怖いイメージを払拭(ふっしょく)するのが狙い。参加者が主体的に防災について考える力を養い、授業や講座以外でも自主的に取り組めるようにしたい。防災活動の持続可能な仕組みを意欲的につくっていきたい」
 ―今後の目標は。
 「全国の学校防災の可視化をするシステムをつくりたい。具体的には防災教育の取り組みレベルを段階的に評価する仕組み。現状、防災教育がないか、形ばかりの学校を見てきた。南海トラフ巨大地震や富士山噴火などの災害時に一人でも多く助かるように、学校の取り組み状況を地域の人たちに知ってもらいたい」

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