浜松市博物館 紛失資料3点、同じ風呂敷に包まれ発見 市が記者会見「残る2点も収蔵庫内の可能性」

 浜松市博物館で収蔵資料が紛失し、職員がその事実を隠していた問題で、収蔵庫で発見された収蔵資料3点は同じ風呂敷に包まれていたことが19日、市への取材で分かった。3点は紛失前からこの風呂敷で保管されていた上、破損などの被害もなく、状態が良かったことから、市は3点が所在不明となった10年以上前から収蔵庫内にあったとみている。市は同日、市役所で記者会見を開き、3点の発見を発表した。

発見された「浜松城二の丸絵図」=19日午後、浜松市役所
発見された「浜松城二の丸絵図」=19日午後、浜松市役所
発見された浜松市博物館の収蔵資料3点=19日午後、同市役所
発見された浜松市博物館の収蔵資料3点=19日午後、同市役所
発見された「浜松城二の丸絵図」=19日午後、浜松市役所
発見された浜松市博物館の収蔵資料3点=19日午後、同市役所

 発見されたのは取得価格200万円以上の重要物品に当たる「浜松城二の丸絵図」と、「遠州五千石御替地図」「遠州浜名五千石図」。最後の貸出記録は2005年で、遅くとも11年には紛失していたとみられる。
 資料の全点検の一環で職員が16日に作業を行っていた際、本来の保管場所とは別の場所で風呂敷を発見した。精米用大型民具の上に置かれ、その上には、この民具の部材がかぶせられていたという。民具は奥まった場所にあり、これまでの調査の対象外だった。
 記者会見で嶋野聡文化振興担当部長は、3点の紛失は盗難被害ではなく、当時の管理方法に問題があったとの認識を示し「残る2点も収蔵庫内にある可能性が高い」と述べた。
 市は21年11月に収蔵資料の紛失を発表した。「浜松城二の丸絵図」は紛失が判明していたにもかかわらず、担当者が虚偽報告をして検査をすり抜けていた。市は現在、第三者委員会を設置し、検証作業を進めている。

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