南海トラフ観測 御前崎沖の設備更新 気象庁概算要求で計上方針

 気象庁は2023年度、南海トラフ巨大地震を観測するため御前崎沖に設置しているケーブル式常時海底地震観測システムの給電設備を更新する。全国の津波観測設備も更新し機器故障のリスク低減と安定した観測態勢の維持を図る。23年度予算概算要求に11億8300万円を計上する方針。
 地震観測システムは08年に設置した。給電設備はデータ処理などを行う御前崎市の陸上局の一部で、システムに電力を送る役割がある。老朽化が進行しているため、設置してから初めて更新を要求する。
 津波観測設備は全国102地点のうち25カ所を更新し、本県は5カ所のうち御前崎の1カ所が対象。
 地震観測システムは今月中旬から、一部に障害が発生して運用を停止している。周辺を震源とする地震が起きた場合、緊急地震速報が最大で13秒程度遅くなる可能性があり、気象庁は早急な原因解明と運用再開を目指す。
 (東京支社・青木功太)

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