災害時 多言語で情報発信 静岡市で外国人防災リーダー研修会

 静岡市国際交流協会は27日、外国人防災リーダーの育成研修会を同市葵区で開いた。市内在住の外国出身の市民10人が、東日本大震災当時の実例を学びながら、多言語での災害情報発信の重要性を学んだ。

防災情報の多言語発信の重要性を学ぶ参加者=静岡市葵区
防災情報の多言語発信の重要性を学ぶ参加者=静岡市葵区

 仙台市の仙台観光国際協会の菊池哲佳氏が講師を務め、被災時の経験を語った。外国人が日本語の津波警報の意味を正確に理解できなかったり、生活復旧に関する情報が届かなかったりした事例を説明した。
 研修会は来年2月までの全4回。市は3回以上参加した受講生を外国人防災リーダーに認定する。モロッコ出身の花沢ウライヤさん(37)=静岡市清水区=は「研修で得た防災の知識を県内に住む同じ国の出身者や仲間たちにも広めたい」と意欲を述べた。
 外国人防災リーダーは大規模災害発生時に市役所に設置される支援拠点で、通訳ボランティアとして問い合わせ対応や翻訳業務に携わることが想定される。静岡市国際交流協会の中島一彦専務理事は「外国人防災リーダーが増えれば、留学生や海外旅行者の日々の安心にもつながる」と期待する。
 (社会部・市川幹人)

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