下肢の硬い筋肉 ジャンプで「有効」 静産大・江間准教授が研究結果発表

 静岡産業大スポーツ科学部(磐田市)の江間諒一准教授(36)は29日までに、伸び縮みしにくい硬い筋肉を持つ人ほど、バレーボールのジャンプなど高速で実施する運動パフォーマンスが優れていることを明らかにする研究結果を発表した。スポーツ競技の特性に合わせてトレーニング方法を導入する一つの基準を示した。

学生の脚に超音波をあてる江間諒一准教授(左)=8月、磐田市の静岡産業大磐田キャンパス(江間准教授提供)
学生の脚に超音波をあてる江間諒一准教授(左)=8月、磐田市の静岡産業大磐田キャンパス(江間准教授提供)

 10~20代の女子大学生30人を対象に実験を行った。ジャンプなどの下肢の運動で使う太もも前部の筋肉「外側広筋」に超音波をあてて、筋肉の伸び縮みしやすさとしにくさを計測。また、連続で素早く行うジャンプや軽い板を思い切り蹴る脚伸展パワーを測った。結果、外側広筋が硬い人ほど、素早い連続ジャンプで高く跳躍することができ、脚伸展で発揮するパワーが大きいことが分かった。
 伸び縮みして力を生み出す筋肉細胞の周りにある結合組織が多いほど素早く力を外に伝達できるとみられ、同組織の含有量が影響して今回の結果が得られたと考えられる。結合組織が多い硬い筋肉を得るためのエクササイズ開発は、今後の課題。縄跳びの二重跳びのように短い接地時間で高く跳ぶトレーニングが有効な可能性があるという。
 江間准教授は「個人に適したトレーニングの提供が重要。今までスポットが当たらなかった筋肉の硬さと軟らかさを一つの指針にエクササイズを開発してきたい」と話した。
 

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