浜松市が23年度「戦略計画」方針 持続可能な共助社会を

 浜松市は2日、2023年度の重点施策の方向性を示す「市戦略計画の基本方針」を発表した。24年1月の行政区再編を契機とした市の新たなスタートを見据え、重点化テーマに「未来へつなぐ持続可能な社会への挑戦」を掲げた。さまざまな社会経済環境の変化や課題に対応するため、デジタルを最大限に活用し、あらゆる分野でサステナブル(持続可能)な共助型社会を目指す。

 ■デジタル 最大限に活用
 テーマの実現に向けて市総合戦略で基本目標とした三つの視点を堅持する。このうち「若者がチャレンジできるまち」では、スタートアップの創出と成長の促進、地域産業との融合によるイノベーションの創出支援、スマート農業の普及や林業のデジタル化の促進などを図る。
 「子育て世代を全力で応援するまち」では、デジタルを活用した情報提供や相談体制の充実、ヤングケアラーへの支援体制の構築などを進める。「持続可能で創造性あふれるまち」では、マイナンバーカードの利活用の促進、新たな区への円滑な移行・地域活動の支援を見据える。
 分野別の重点施策としては、大河ドラマ「どうする家康」の放送を活用した交流・関係人口の拡大(産業経済)、部活動の地域移行に向けた環境整備の推進(子育て・教育)、AIの活用による迅速・的確な災害情報の収集と避難情報の発信(安全・安心・快適)などを盛り込む。
 市は併せて23年度当初予算の編成方針も公表した。23年度は、少子高齢化などに伴う社会保障費の増大に加えて、整備中の天竜清掃工場や浜松医療センター新病院棟などの大規模事業による投資的経費がピークを迎えるほか、新型コロナ対策や原油価格・物価高騰による内部管理経費の増加によって厳しい財政運営が予想される。このため、歳出の重点化や事業の廃止、見直し、合理化などでメリハリの効いた予算案を作成する。
 (浜松総局・宮崎浩一)

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