越水前に発令判断 浜松市、初の緊急安全確保 避難の危険考慮

 浜松市が2日、同市として初めて発令した警戒レベル5の「緊急安全確保」の判断は、馬込川が堤防から越水する前に行われたことが市への取材で分かった。市は越水後に即座に住宅地に浸水し、避難の際に危険が伴うとみて発令を決めた。

急増水する馬込川 浜松市浜北区の矢矧橋付近に設置された監視カメラの画像(浜松市のホームページから) 2日午前11時半ごろ
急増水する馬込川 浜松市浜北区の矢矧橋付近に設置された監視カメラの画像(浜松市のホームページから) 2日午前11時半ごろ
急増水する馬込川 浜松市浜北区の矢矧橋付近に設置された監視カメラの画像(浜松市のホームページから) 2日午後1時20分ごろ
急増水する馬込川 浜松市浜北区の矢矧橋付近に設置された監視カメラの画像(浜松市のホームページから) 2日午後1時20分ごろ
急増水する馬込川 浜松市浜北区の矢矧橋付近に設置された監視カメラの画像(浜松市のホームページから) 2日午前11時半ごろ
急増水する馬込川 浜松市浜北区の矢矧橋付近に設置された監視カメラの画像(浜松市のホームページから) 2日午後1時20分ごろ

 市危機管理課によると、市は浜北区の矢矧(やはぎ)橋付近の河川カメラの映像で、水位が堤防と同じ高さにまで増水している状況を確認し、その段階で緊急安全確保の発令を決定した。午後0時55分に約17万世帯約41万人に警戒レベル4の「避難指示」を出していたが、20分後の1時15分、緊急安全確保に切り替えた。市はその後、実際に越水した状況を確認したという。
 内閣府のガイドラインでは、緊急安全確保は災害が発生・切迫した際、避難することがかえって危険な状況になる場合に出すことができる。緊急安全確保の発令後、矢矧橋付近の道路は冠水し、避難所などへの避難は困難だったとみられる。
 同課の担当者は「緊急安全確保の発令は総合的に判断した。効果や検証は難しいが、人命に関わるような被害がなくてよかった」と話した。

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