広域災害への備え議論 静岡で中部地域づくり講演会

 本県などの防災インフラ機能の充実を目指す中部地域づくり協会は13日、広域災害に備えた国土整備や対策を紹介する講演会を静岡市駿河区の県男女共同参画センターあざれあで開いた。防災関係者ら4人が登壇し、先進事例や課題を解説した。

広域災害に備えた国土整備や対策が紹介された講演会=静岡市駿河区
広域災害に備えた国土整備や対策が紹介された講演会=静岡市駿河区

 県交通基盤部の太田博文部長は南海トラフ巨大地震に備え、本県を通る二つの高速道路のほかに、静岡空港や伊豆縦貫道を生かした交通ネットワーク拡大を進めていると説明。県は、地形や建物などの形状を立体的に表現する「3次元点群データ」をインターネット上で公開していて、災害復旧工事やビジネスに利活用できることも明かした。
 日本プロジェクト産業協議会の松本伸氏は、静岡市清水区由比地区の沿岸を通る東名高速道と国道1号の津波被害は免れないと指摘。復旧まで2年かかると仮定した場合、3600億円の経済損失が生じるとの試算を示した。迂回(うかい)路の必要性に言及し、「東海道の交通を維持すれば日本経済へのダメージを緩和できる」と強調した。
 同協議会の越智繁雄氏は近年相次ぐ豪雨災害への備えを訴えたほか、国土交通省中部地方整備局の高須博幸統括防災官が熱海土石流災害の活動について語った。

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