小山町デマンドバス利用増 予約アプリ、利便性向上へ検討

 予約に応じて運行する小山町の乗り合いバス「デマンドバス」の利用者が増えている。御殿場市を含めて286カ所のバス停から乗降場所を選べるのが特徴で、4~8月の利用者は前年同期の1・5倍近くになった。予約が取りにくいとの声も上がり、町は利便性を高めるため予約アプリのバージョンアップを検討している。

小山町のデマンドバスの車両。利用者が増えている
小山町のデマンドバスの車両。利用者が増えている

 町によると、4~8月の利用者(速報値)は5904人と前年同期から1922人増えた。新型コロナウイルスワクチン接種会場の送迎で初めて乗った人が、その後も利用しているとみられる。御殿場市内の高校近くにバス停を新設したのも一定の効果を生んだ。
 利用者の少ない路線バスの代替として2020年に導入した。14人乗りのワゴン車が通常は3台、土日祝日と学校の長期休暇中は2台運行している。町内の鉄道駅や公共施設、御殿場市の病院を発着地とする利用が多いという。
 運行経費のうち運賃収入を差し引いた分を町が事業者に支払う仕組みで、21年度は別の路線バス分を含めて約6400万円を負担した。負担を減らすには利用者を増やすしかないが、予約しにくい状況では難しい。車両を増やせば予約しにくい状況は解消できるが多額の追加経費が必要になり、町は「ジレンマ」(担当課)を抱える。
 現在の予約アプリは利用者が日時を選んで申し込む仕組みで、希望時間が埋まっていると時間を変えて再度試みる必要がある。バージョンアップでは、予約可能な日時やバスの現在地を表示する機能の追加を視野に入れる。学校の長期休暇中の運行台数増加も検討するという。

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