「なまこ壁」伝統技術継承 地元左官職人手ほどき 松崎で体験講座

 松崎町や観光協会、商工会でつくる「町漆喰(しっくい)文化次世代継承事業実行委員会」は11月まで、外壁工法の伝統様式「なまこ壁」づくりの体験講座を開いている。町内の左官職人が講師を務め、全5回でなまこ壁をあしらったパネルを完成させる。

左官職人からアドバイスを受けて作業に励む参加者=松崎町内
左官職人からアドバイスを受けて作業に励む参加者=松崎町内


 なまこ壁は、瓦を壁に貼り付け接ぎ目をしっくいでナマコのように盛り上げてつくる。西風が強い同町では防火のため発展した。講座は職人の減少に伴い、技術継承のため2021年に開始。町内外の10人が9月上旬から作業に励んでいる。
 10月2日には町内で、コテなどを使い90センチ四方のパネルにしっくいを塗り重ねる「中塗り」を行った。参加者は、左官職人の中村一夫さん(81)と高橋恒彦さん(58)の手ほどきを受け、真剣な面持ちで取り組んだ。
 同町の主婦森みゆきさん(65)は「実際に作業を体験すると、手先の繊細な動きが必要で難しい。きれいにできた時は達成感がある」と話した。
 (松崎支局・太田達也)

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