外国人老後 環境づくりを 共生審議会、浜松市に提言

 「浜松市外国人市民共生審議会」(委員長・丹野清人東京都立大教授)は6日、3年間にわたって協議してきた「外国人市民の老後」と「外国人の青少年のキャリア支援」に関する提言書を鈴木康友市長に提出した。定住外国人の増加に伴う課題の解決に向けて「外国人市民が安心して老後を迎えるための環境づくり」と「外国人の青少年が自らキャリアを選択するための環境づくり」を求めた。

鈴木市長(右)に提言書を手渡す丹野委員長=浜松市役所
鈴木市長(右)に提言書を手渡す丹野委員長=浜松市役所

 具体的な取り組み案として、社会保障制度の情報を分かりやすい言葉で発信するとともに、外国人市民の制度に対する意識向上、外国人高齢者と支える側の課題共有を推進するよう求めた。日本の進学制度情報の充実、勉強へのモチベーションを向上させる支援、仕事上で必要となる日本語の「書く力」の醸成なども盛り込んだ。
 委員7人と市役所を訪れた丹野委員長は「日本人も外国人も全ての市民が自らの幸福を追求できる多文化共生社会の実現に向けて積極的に取り組んでほしい」と提言書を手渡した。鈴木市長は「外国人市民が住み慣れた街で安心して暮らせるよう引き続き努力していきたい」と述べた。
 市の2021年度調査では、通算滞在期間が15年以上の外国人市民は44%に上り、今後、高齢者世帯の増加が予想されている。雇用形態も非正社員が57%と、不安定な雇用環境で働く外国人市民が多いという。
 (浜松総局・宮崎浩一)

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