留学帰り小野沢、聖光連覇へ闘志 個人スキルをチームに還元 全国高校ラグビー静岡県大会 23日開幕
「オーストラリア留学で磨いた個人スキルをチームに還元したい」。23日に開幕する全国高校ラグビー静岡県大会(静岡新聞社・静岡放送後援)に向け、連覇を目指す聖光のWTB小野沢謙真(2年)が意欲を高めている。小野沢は相手を巧みにかわす「うなぎステップ」で活躍した元日本代表・宏時氏の長男。留学先で学んだステップを父の教えと融合し、飛躍を誓う。
小野沢はヤマハ発動機スポーツ振興財団の助成を受け、4月から5カ月間、オーストラリア西岸の都市パースに留学。午前は語学学校に通い、午後から現地のクラブチームで練習する生活を送った。
179センチ、83キロと日本では大柄だが、現地では「周りはみんな自分より大きく、工夫しないと倒された」。ラグビー強国で感じたのは個人能力を重視する戦い方。「周囲との連動性の前に、ランニングやコンタクトなどを高めないと、通用しない」と自覚した。
一回り成長したポイントゲッターに対し、本年度から指揮を執る松山監督は「小野沢はチームに無くてはならない頭脳と存在。戦術にアドリブを効かせることができる」と信頼を寄せる。
帰国後、右膝を痛めたが、県大会には間に合う見込み。将来の目標にW杯出場を掲げ、「トライを量産して県大会を勝ち上がり、花園に行って自分の力を試したい」と決意を示す。
■けがの上柳主将も復帰 清水南と1回戦
聖光は夏前までけが人が多く、5月の県高校総体は東海大翔洋に敗れて3位にとどまった。チームの要でナンバー8の上柳主将は右膝のけがで半年間離れていたが、戦列に復帰。「自分の持ち味は攻守ともに前に出ること。アタックの突破口を開きたい」と意欲を高める。初戦の相手は清水南。指揮官は「今年は挑戦者として臨める。能力ある選手がそろい、ラグビーに対する理解度も高い。大会が楽しみ」と自信を見せる。