ユニバーサルデザイン 市民の理解、認知向上 浜松市第2期推進計画総括「行動つながらず」

 浜松市は31日、市ユニバーサルデザイン(UD)審議会の本年度第2回会合を市役所で開き、第2次市UD計画(2012~21年度)の後半5年間(17~21年度)を期間とする第2期推進計画の事業評価報告書を提示した。総括では市民のUDの理解度や認知度が向上している一方、思いやりのある行動にはつながっていない現状を指摘。事業所に対する啓発や取り組み促進も課題として挙げた。

浜松市役所
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 市は庁内取り組みとして、UDの普及・啓発、ソフト、ハードの三つの基本目標を掲げ、第2期計画では50事業を計画。このうち、32事業を「達成」、14事業を「おおむね達成」、4事業を「一部実施」と自己評価した。未実施は無かった。新型コロナウイルスの影響で当初計画通りに実施できなかった事業もあったが、開催方法を再検討するなどして取り組んだという。
 市が20年度に実施した市民意識調査の結果によると、UDの認知度は79・9%、理解度は51・5%とともに過去最高。5年前の調査と比べ、認知度は5・2ポイント、理解度は10ポイント上昇したが、「思いやりのある行動をしている」は10・8ポイント減の65・7%だった。UDを取り入れている事業所は0・8ポイント減の22・7%にとどまった。
 市は本年度から進めている第3次計画の各事業について委員の意見を参考にして設計する。市UD・男女共同参画課は「点で進めてきた事業をつなぎ、庁内横断的な取り組みにしていきたい」と委員らに方針を示した。

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