記者コラム「清流」 サッカーという異種格闘技

 サッカー観戦中、異種格闘技のようだと思う時がある。組み伏すか、離れて打ち合うか、チーム戦術のせめぎ合いに注目すると面白みが増す。
 一方、時代の現場に居合わせなかったが、闘魂のプロレスラー猪木がボクサーのアリと相対した「世界一決定戦」は両者の思惑がかみ合わず“世紀の凡戦”に終わった。
 サッカーでもリードを守り切る終了間際ならまだしも、相手の良さを消す目的で明確な意図無くボールを蹴り出すと試合が詰まらなくなる。
 「男とは異なる軽やかな身のこなしと小気味いいパスで女子サッカーの魅力を高めたい」。1部昇格を決めたボニータの小川監督は志す。対戦チームも思いを共有できないか。人気低迷が心配される中、静岡から「なでしこ」の未来を開く挑戦に期待したい。(運動部・寺田拓馬)

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